残していきたい伝統技法にあなたも挑戦!弘前こぎん研究所監修「津軽こぎん刺し」

   

残していきたい伝統技法にあなたも挑戦!弘前こぎん研究所監修「津軽こぎん刺し」

青森県の津軽地方に伝わる刺し子技法の一つ「津軽こぎん刺し」。麻の布地に綿の糸でちくちくと規則的に刺していくことでできあがる幾何学模様が魅力です。300年以上前の江戸時代から始まったこぎん刺しですが、北欧風にも見える模様が今の時代にも受け入れられ、人気を集めています。

今回ご紹介するのは、国内外問わず、こぎん刺しの生産と普及のためにさまざまな活動をしている弘前こぎん研究所監修の「手仕事から生まれたモドコを楽しむ津軽こぎん刺し」です。


■津軽の農民が生み出した補強と防寒のための生活の知恵

江戸時代、農村での暮らしの中で厳しく長い津軽の冬を越すために麻の着物を少しでも温かく、そして長く着用できる頑丈なものにするために考えられた「刺し子」の技法は、女性たちの知恵が生んだといわれています。

津軽こぎん刺しは、布地の横糸に沿って縦糸を数えながら刺していくのが特徴。藍染めの麻布に糸を手刺ししていくことで、さまざまな模様ができあがりました。その幾何学模様のようなデザインは、植物や生き物の名前をつけて「モドコ」と呼ばれ、母から子へ、代々受け継がれてきました。


■紡績糸の普及でこぎん刺しの最盛期へ

こぎん刺しが生まれた当初、綿糸を手に入れることは困難でしたが、紡績が盛んになったことで、明治中期には手に入りやすくなりました。

「モドコ」の言葉の由来は「もとになるもの」を指す津軽の言葉です。雪の中に閉ざされた家の中で日々を楽しく豊かに過ごせる娯楽のような存在になり、女性たちは競って美しい模様を刺すようになり「モドコ」が次々と誕生し、何百通りものデザインパターンができあがりました。


■「弘前こぎん研究所」の誕生
輸送手段や物流の発展により、生地に「こぎん刺し」を施す機会自体が少なくなっていきました。のちに、こぎんは優れた民芸品として注目されたものの、こぎんの復活とはなりませんでした。しかしなんとかこぎんの価値や文化を残していけるよう情報を集め、昭和17年に「(有)弘前ホームスパン」(後の「弘前こぎん研究所」)が誕生しました。

弘前こぎん研究所は、伝統を後世に受け継ぐために、現代の生活にフィットした新たな商品作りを行っています


■「手仕事から生まれたモドコを楽しむ津軽こぎん刺し」のおすすめポイント

ここでは、
「手仕事から生まれたモドコを楽しむ津軽こぎん刺し」のおすすめポイントをご紹介します。

ポイント1.一つのことに没頭できる
縦糸の目を数えながら、縦糸をすくってひたすら刺し続ける「こぎん刺し」。

難しい技も必要なく、ひたすら黙々と針を進めていくだけなので、時間を忘れて没頭できます。日頃の生活のことを忘れて作業をすることは、頭の中を空っぽにでき、よいリフレッシュになります。

作業途中で止めてもまた続きから始められるので、すき間時間を活用して気軽に楽しめます。


ポイント2.北欧デザインを感じる「モドコ」の美しさ
こぎん刺しは、単純な作業ではありますが、その繰り返しが美しい幾何学模様を生み出します。

模様の配置を考えて、布と模様の中心を合わせる必要がありますが、こちらのキットは模様が決まっているので、右から左へと模様にしたがって目の数を数えて刺していくだけ。1段刺し終えたら、布を180度回転させて次の段へと順々に刺し進めていくことで、デザインができあがります。

こぎん刺しのルールは、どのデザインも同じです。難しそうに見えるキットもあるかもしれませんが、基本の規則は同じなので、子どもから大人まで幅広い年齢層の方に楽しんでいただけます。

こぎん刺しは、素朴で優しい風合いにより北欧を感じるものもあります。藍染めの麻に綿の白糸で刺していきますが、現代風に糸の色を変えることで、モドコの表情もモダンでかわいらしく変化します。




ポイント3.「弘前こぎん研究所」監修で忠実に再現できる本場の「津軽こぎん刺し」

「こぎん布」と呼ばれる麻布に、艶消しで撚り方がゆるやかな“甘撚り”の綿糸の「こぎん糸」で刺していくのが正式だといわれています。

こちらのキットは、「弘前こぎん研究所」監修によるものなので、津軽地方で受け継がれている伝統工芸をお楽しみいただけます。麻布とこぎん糸が必要な分だけセットされているので、初心者でもすぐにスタートできます。裏布は縫製する作業がなく、同封の接着芯にアイロンをあてるだけで仕上がる簡単仕立て。仕立てる手間が省けてこぎん刺しを存分に楽しんでいただけます。

わかりやすい説明書も同封されており、説明書どおりに刺していけば美しいモドコができあがります。QRコード*から動画でもポイントが確認できます。刺し子を進めていくと、縫い方の強度により布が撚れたりつっぱったりしてしまいますが、縫い目に沿って指先でしごく「糸こき」をすることで、優しくふんわりとした見た目に仕上がります。そんなコツもすべて説明書に記載されています。

■こぎん刺しをとことん楽しめる「津軽こぎん刺し」のカラフルなモドコ

数十種類ほど存在している「モドコ」の中から、ピックアップし、いろいろな「モドコ」を組み合わせることで、より豊かな幾何学模様を生み出すことができ、どんどんデザインの幅が広がります。

もともとは藍染めの麻布に白糸で刺していましたが、現代の暮らしに映えるカラーで展開しました。「こぎん刺し」の楽しさと「モドコ」の美しさを満喫できます。

ここでは今回のキットで楽しめる「モドコの模様」をいくつかご紹介します。

【竹の節】竹の子のように生える様子を表現した「竹の節」。この手法は、古い野良着や袢纏にも用いられていたそう。

【猫の足】猫の足の肉球を表現した面白い模様。細かなモドコを連続させることで、生地色が透かしに見えるような配置になっています。

【きくらこ】ぎっくり腰や捻挫を表す津軽弁の「きっくらへんき」という言葉と、名詞の後に「こ」をつけて呼ぶ言葉の組み合わせで「きっくらこ」から変化して「きくらこ」になったのではないかなど、いろいろな説のある模様です。このキットでは、布の色と糸の色をガラリと変えてはっきりとしたコントラストをつけることで、模様の浮き立ちを楽しめます。


■作る楽しさと表情豊かなモドコの姿が魅力「津軽こぎん刺し」

できあがった作品は、1枚でコースターに、つないでテーブルセンターなどに使えます。フレームに入れて壁に飾るのも素敵ですね。

習得した技術を活かして、ハンカチやバッグにあしらってみたり、ブローチや耳飾りにして楽しんでみたりなど、世界もどんどん広がります。

かつて厳しい生活を強いられた中で女性が生んだ美しい技術「津軽こぎん刺し」。
時代を越えて、現代の暮らしにも華やかに映える伝統技法です。あなたもチャレンジしてみませんか。


* QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

 

 

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